*カーペンターズ*
<デビュー30周年記念セレブレーション・ツアー報告>
平成11年7月6日〜13日(6泊8日)
とても感動的なイベントで、素人集団があれだけの内容のイベントを大きな事故もなくスムーズに運営できたことに、少なからず全員が驚きました。実行委員会の方々、本当にご苦労さまでした。
イベントはカリフォルニア州ダウニー、ファイアーストーン・ブールヴァードに面した瀟洒なホテル、エンバシー・スイーツを拠点に行われ、文字通り全室が2部屋のスイートルームで、ゆったりと過ごすことができました。ダウニーはロサンゼルスから車で小一時間の郊外。カーペンター家は63年からこの地に暮らし、現在もリチャードの一家が暮らしています。
7月6日(火)
15:45 デルタ航空78便にてロサンゼルスへ
飛行機の再点検で多少遅れが出たが、無事LAに到着。
市内観光後、宿泊先のルーズベルト・ホテル(ハリウッド)へ。
ここは第一回アカデミー賞授賞式が行われたハリウッドでも由緒あるホテルで、ハリウッドの中心に位置。治安の点では多少不安がないでもないが、夜遅く出歩 かない限り危ないということはない。ここに宿泊中、サンタモニカへ足を延ばしたり、シタデルまでアウトレット・ショッピングへ行く人もいた。私は5才の幼 児連れだったので、もっぱら近所を散歩するか、ホテルのプールにつかりながらで時差を調節。日本では公開前だった「スター・ウォーズ・エピソード1」を見 る。
7月7日(水) 自由行動日
7月8日(木)
早朝、ホテルのロビーに集合し、後発組を迎えにLA空港へ。
11頃、後発組と落ち合い、近隣のショッピング・センターで腹ごしらえ。
サイプレスのカレンのお墓にお花を添えた後、セレブレーション会場となるダウニーへ。
14:00-16:00 ホテル・チェックイン 及び イベント参加受付(ホテル・ロビー)
チェックインした後は 各自既に連絡してあった外人の友人等と会い歓談。以前に私のツアーに参加した日本人ファンは、外人ファンの知り合いも少なくなく、再会を喜び合う姿が多く みられた。また、初めて参加した人も、既にメールで連絡をとっていたのか、早速商談(?)に入る。さすが、世界選り抜きのコレクターが集まっているだけあ り、日本の珍しいアイテムを見て火花が飛ぶ。アイテム争奪合戦の熱き戦い(?)は、最後の夜まで続いた。
16:00-19:00 各自夕食
私はこの時、ホテル近くの「Mimi’s 」でアメリカ人、オーストラリア人夫婦、そして日本のイベント実行委員と食事を共にしたが、子供が時差のためにダウン。寝込んでしまい、子供ひとりをホテ ルの部屋に置いておくわけにいかず(アメリカでは13才以下の子供を一人にするのは違法)、泣く泣くこの夜のイベントは不参加とした。
19:00 『ア・ソング・フォー・ユー』 タレント・ショー (ダウニー高校カーペンターズ・ステージにて)
私はこのイベントを見ることができなかった。子供が起きて現地へ行くと、既にショーは終わっていた。ダウニー高校のカーペンター・ステージ設立に寄付金を 出した者は、ステージの土台のレンガに金色のネーム・プレートが貼られている。完成していないので、全員の名前はなく(実際には10数名分のプレートしか 貼られていなかった)、私が把握しているだけでも日本人は30-40名が寄付を しているが、たった一名分しかそこには名前が刻まれていなかった。また機会があったら自分の名前が刻まれているかを見に行きたい!という人が続出。
7月9日(金)
9:00-11:00 『愛のプレリュード』歓迎会
(世界各国ファンとの交流:リージェンシー・ボールルームにて)
エンバシー・スイーツでは、朝食がついてくる。それも、オーダーすると好きなものをその場で料理してくれる式で、暖かくおいしいものをたっぷり食べさせて もらえた。そういった料理以外の、フルーツ、マフィン、シリアル、飲み物等はビュッフェになっていたので、これもうれしかった。
歓迎会の内容は、これからのイベントの説明と主に自己紹介が主。アメリカ、カナダ、日本、オランダ、フランス、イギリス等世界14カ国からの参加者がそれぞれにカーペンターズへの思いを披露。上には上がいるものだと痛感。
11:00-12:30 各自昼食
12:30 ホテルの駐車場集合
13:00-17:00 『涙の乗車券』 ゆかりの地めぐりバス・ツアー
バス3台に分かれてカーペンターズゆかりの地をめぐる。日本のグループは緑色組だった。バス・ツアーは『ナウ・アンド・ゼン』のアルバム・ジャケットでお 馴染みの、リチャードとカレンが両親と住んでいたニューヴィル・アベニューの家へ。実は日本人の何人かはその前日にこの家の内部に入れて貰っていたが、今 回は150人の大所帯がイッキにこの家に入ることになった。それもこのツアーの前日にリチャードからこの家を買った主から連絡があり、突然「お待ちしてい ます」という連絡。実行委員会の私たちが喜んだことは言うまでもないが、私は2年前のツアーの時、まだリチャードが所有していたこの家の内部を見せても らっていたので、新しいオーナーを迎えた家の内部を見るのは、少し怖いような・・・。
新しいオーナーになっても、日本語で「リチャード、カレン」などと書かれた鳥居 がある日本庭園はそのままだったが、家の内部はあれほど数多く見られたゴールド・レコードやカレンとリチャードの写真や記事、音楽関係の物品が一切取り去 られ(当たり前だけど)心の中に秋風が吹いたような、そんな気持ちになった。
カリフォルニア州立大学ロング・ビーチ校のリチャード・アンド・カレン・カーペンター・パフォーミング・アーツ・センターへ行く前に、全米で最初にオープンしたという歴史的価値あるダウニーのマクドナルドへ。ここで無料のドリンクをごちそうになる。ここにはマクドのミニ歴史博物館があり、歴史的マクド・グッズも販売されていて、案外面白かった。昼休みが短かったため昼食を取り損ねたファンも多く、ここで一服できたのはとてもよかったとの声しきり。
次に訪れたカーペンター・センターでは11月にその序幕が予定されている、カーペ ンターズ関係の常時展示物についての説明を受け、コンサート・ホールの説明や、バック・ステージも見せてもらう。楽屋にはリチャード専用としてネーム・プ レートのついた個室が用意され、そこにはシャワー室やトイレまで完備されていた。”記念”と称して、そのトイレに座って写真を撮る人が多かった・・・。こ れでツアーはお終いなのだが、1台だけバスのエアコンが故障し、炎天下のカリフォルニアをエアコンなしで走るのは自殺行為となる。このせいで、1時間強ホ テルに帰るのが遅くなる。
17:00-19:00 各自夕食
19:00-23:00 『マスカレード』 カーペンターズの音楽の夜 (ライヴDJとダンス)
さて、何時だったか忘れたが、70年代のヒット曲で盛り上がる中、突然リチャードが現われた。奥さんのメリーさん、子供達、マネージャーのデヴィッド・ア レーも一緒だ。リチャードは「一度でいいからパーティを台無しにしたかったんだ」と軽いジョークであいさつ。ファンに感謝の気持ちを述べ、ちょっとした質 疑応答があり、記念撮影をしていってくれた。30分間ほどの出来事だっただろうか。リチャードの登場で会場はバケツの水をひっくり返したような騒ぎ(それ でも迷惑をかけないように、興奮を抑えていたけれど)。みんなの心は大いに沸き立った。
7月10日(土)
9 :00 -10:00 ビデオ上映会:テレビ番組編 (以下食事以外すべてリージェンシー・ボールルームにて) 寝坊した私はこれを見ていない・・・。
10:00-12:00 特別ゲストによるパネル・ディスカッション。
こ れ以降、特別ゲストによるパネル・ディスカッションが続いた。確かクイズ大会などもあった気がしたが、私は子供に振り回され、時々会場に顔をだすくらいし かできなかった。パネル・ディスカッションには、カーペンターズの解説で名前を見る、著名ロック評論家のポール・グレインをはじめ、元A&M社 員、『イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター』のプロジェクトのオルガナイザーなど。何かの拍子に私が11時ごろ会場に入っていくと、運良くか悪くか、「日 本ではなぜあのようにカーペンターズがヒットしつづけるのですか?」という質問。それなら日本人の方がよく分かってるのではないかと、私に矛先が・・・。 日本とアメリカでは70年代の文化的背景が違い、カーペンターズのイメージやとらえられ方がアメリカとは異なったことなどを説明。受け狙いで、「日本人はカミカゼ精神で、何でも最後までやり抜きますから」といって、日本人のファン魂をアピールした。
12:00-13:00 各自昼食
13:00-14:00 ビデオ上映会:ライブ編
う、これはきっと昼食に時間をとられて遅れたせいか、記憶にない・・・。クイズ大会というのもあった気がするが、これまた私は遅れた・・・・。
14:00-14:30 One Collector’s Odyssey 特別ゲスト Randy M. Kosht (A&M社史専門家)
14:30-15:00 The Carpenters Museum: A Sneak Preview
特別ゲスト Lisa Minnerly(カリフォルニア州立ロングビーチ校、カーペンター・センター代表)
この2人の話は、正直なところあまり印象に残っていない。前者のA&M社史の話は割合面白かったが、どこが面白かったか具体的に思い出そうとし ても思い出せないところをみると、やっぱりありきたりの話だったのだろう。後者は前日にカーペンター・センターに行ってきいた話を再び耳にした感じだけ だったが、わざわざファンのために出向いてくれたということの方がうれしかった。
15:00-17:00 『インターミッション』 自慢グッズ品評会及びメモラビリアの売買/トレード (各部屋にて)
それぞれが自慢のグッズを持ち寄り、会場からはため息と羨望の眼差しが飛び交った。最後までいられなかったが、なかなか楽しそうだった。
17:00-19:00 各自夕食
19:00-20:30 『スイート・スイート・スマイル』 アイスクリームを食べながらの交流会&カラオケ
このカラオケ大会は大ヒットだった。グループで歌ったり、親子で歌ったり、熱唱あり、控えめな歌唱ありで、何よりもみんながすごく楽しみながら歌っている のがありありと見えて、見ている方もすごく楽しく明るい気分になってくる。アルコールもないのに、なんだろう、あの盛り上がりは?!カーペンターズの曲の みならず、70年代から80年代のヒット満載で、我々中年が青春時代に愛してやまなかった曲が続いた。私は下手な素人の歌を聴くのがイヤでカラオケはほと んどやらないが(ただし風呂場で歌うのは好き)、このカラオケ大会はなんだか知らないがやたら楽しめた。日本人は「シング」を日本語で、また、アルゼンチ ンのファンはそれをスペイン語で歌ったりした。最後は全員で大合唱。こういうのっていいなぁ。
20:30-21:30 ビデオ上映会
日本は大阪でのリチャードのソロ・コンサートをビデオ上映。いつ見てもジーンとくるものがある。せっかくカリフォルニアまで来たので、本当はリチャードの コンサートがカーペンター・センターであればよかったのに。日本で見るリチャードのコンサートの何倍も胸に迫るものが必ずある。私はカーペンター・セン ターで見るリチャードの公演が一番好きだし、一番感動する。それでもこの大阪公演は素晴らしく、今までにリチャードのソロ・コンサートを体験したことのな いファンは、特に絶賛していた。うん、その気持ちわかるよ。だって、あんなに何度も見た私でも、ビデオを見て最後は涙しちゃったもん。
この日に限ったことではないが、このイベント開催以来ずっとくじ引きのチケットが販売され、折りあるごとに、くじの抽選が行われた。商品は参加者からの寄 付で、特賞は幻のファースト・アルバム『オファリング』。日本人参加者も抽選に当たり、写真満載のCD-ROMや写真等が当たっていた。私も自家製であろ うCD-ROMが当たったのだが、既に持っていたアイテムだったので、子供がアメリカ人のファンにその盤をレゴのオモチャとトレードした。ということで、 ロン君はオモチャ屋へと走ったのでした。
7月11日(日)
12:00 『パーティング・オブ・アワ・ウェイズ』 お別れランチ・ピクニック (ファーマン・パークにて)
心に春が来たように楽しいのに、旧友と再びの別れを告げるようにほろ苦いく甘酸っぱいピクニックだった。カリフォルニアの青い空の下、カレンが初めて人前 で歌を歌ったというファーマン・パークで、私たちはハンバーガーをほおばる。その場でジュージュー焼いてくれるバーベキューで、焼き加減もグー。デザート にフルーツもあり、なかなかおいしかった。食べながら、飲みながら、いろいろな話をしながら、みんなで写真をとりあって、「元気でね。会えてうれしかった わ。またいつか会いましょうね」という言葉と一緒に、みんなと抱き合っていった。
同じ音楽を愛するという共通点は、国境も言葉も超えて、想像以上に強く、固く、そ してやさしく人を結びつける。みんな、カレンとリチャードと、二人が作った音楽が大好きで集まってきた。集まったのは、そのカレンとリチャードの、何でも いいから何かに近づきたいという切望ではなかったかと思う。日本からアメリカまで飛んでいくようなすごいファンの集まりであり、それは全米各地から飛んで きたアメリカ人ファンも、南米アルゼンチンや、ヨーロッパはオランダから飛んできたファンも同じだ。
このツアーをやる度に思うことは、このツアーも、メーリング・リストも、中心はカ レンとリチャードではなく、カーペンターズの音楽でもなく、人と人との出会いなのだということ。同じ趣味を持っているだけで、旧友と会ったように初対面で も話が弾む、我が意を得たりと意気投合する。あの事もも話したい、こういった事もきいてみたい・・・。何気なく話をするうちに、どんどんのめり込んで、す ぐに大親友のようになることも。そうして、私は数多くの友人を世界中に作ってきた。
リチャードの顔が見られてうれしかったことは言うまでもないが、それよりも何より も、私はメール・アドレスと名前しか知らなかった多くの人々と、ケラケラと笑い、同じバーベキューを食べ、歌を歌い、スクリーンに映し出されるカレンを見 て涙した。同じ心を持つ人々と、同じ体験が出来たこと、そしてその人たちをもっともっと知ることが出来たこと。それが掛け買いのない財産であり、このツ アーの醍醐味だ。
「カーペンター・センターでリチャードがコンサートをやる時はまた絶対に会おうね!」と言って現地を後にした。